産経新聞2025年7月27日号の書評面にて、『鯨肉料理』(松本青山・著)をご紹介いただきました。
産経新聞WEBページ/<書評>日本の食文化伝える書『鯨肉料理』松本青山著
『鯨肉料理』

<企画趣旨>
食材としての「鯨肉」のすばらしさを知り、おいしく料理してほしい。日本の食文化を支えてきた鯨や捕鯨のことを次世代に伝えていきたい。著者のそんな思いを重ねた一冊です。
著者は、関東で唯一の捕鯨文化が根づく千葉県南房総市和田町(和田浦)にゆかりがあり、幼い頃からこの小さな漁村にあがる鯨、鯨を解体する鯨組、鯨肉を買い求める地元の人たち、鯨の家庭料理などに親しんできました。
“7月に捕鯨が解禁されると、捕獲された翌日早朝から解体作業が始まり、その鯨肉は朝8時頃から販売されます。近所のおかあさん方がバケツやビニール袋をもち、捌きたての塊肉を買っていくのです。その塊肉を薄切りにし、醤油の特製たれに漬け込んでから干します。和田浦の鯨料理といえば、この「鯨のたれ」や、「竜田揚げ」「しぐれ煮」「鯨カツ」でしょうか。鯨肉は、牛肉、豚肉、鶏肉と同じように身近な食材でした。新鮮な鯨肉が手に入ると「鯨焼肉」を楽しんだものです。鯨肉を薄く切り、醤油をまわし、たっぷりの粉山椒をふってからジンギスカン鍋で焼くのです。それを大根おろしにとり、熱々を味わう。鯨肉はしたたるような赤黒い肉なので、ジンギスカン鍋で焼かないと肉がビチャビチャになってしまうからです”
本書では、食材としての鯨肉のすばらしさをお伝えすると共に、40点ほどの鯨肉料理のレシピを紹介します。赤身肉からうねす、皮、尾羽毛、舌肉、コロまで、鯨をまるごといただきます。著者が得意とする食品科学の視点で、鯨肉に合う調理法、味付け、副材料や薬味などの食材合わせをご提案していきます。
加えて、日本の鯨や捕鯨文化のこと、南房総和田浦と鯨の物語も、この本には欠かせない要素です。日本各地で悠久の時をつないできた鯨肉料理を次の世代に渡すために、食に携わる人たちには今こそ鯨をおいしく料理してほしい。そのための一冊になればと思います。
<いま、なぜこの本か>
縄文の頃から食されていたともいわれ、古事記や万葉集にも記載がある鯨は、日本の食文化を語る上で欠かすことができない存在です。日本は資源保護の観点から長らく商業捕鯨を停止していましたが、2019年にICRW(国際捕鯨取締条約)を脱退し、一部の捕鯨を再開。現在は料理店やスーパーで鯨肉を目にするようになりました。ただし、鯨肉に対する理解が広がっているとは言えない状況です。
商業捕鯨停止の40年で鯨の味を知らない人が増えた。鯨はおいしいという体験を引き継ぐために、食品学を駆使して鯨肉の特性を引き出す調理法を解説。捕鯨の歴史と各地の鯨料理も。縄文時代から続く鯨食文化を未来につなぐ本。

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農文協note https://note.com/nobunkyou/m/ma3c82ae6b86d
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