文化連情報2025年4月号「書籍紹介」で、『シン・オーガニック』(吉田太郎 著)をご紹介いただきました。
『シン・オーガニック』

世界の食料需給の逼迫が懸念される一方で、カーボンゼロや生物多様性の保全を達成しなければならない。だがカリやリンも有限でウクライナ危機もあって価格も高騰している。地球沸騰を回避し、同時に世界飢餓も防ぐ。この二つの難題を同時に解決しなくてはならない――これが食と農をめぐる現代的な状況だ。
こうした前提には世界的にコンセンサスが得られている。しかしそれを実現する手法となるとまさに百花繚乱だ。AIやドローンや人工肉、細胞培養等の先端技術を用いたフードテックがあると同時に、有機農業や自然農法、リジェネラティブ農業などがある。
本書は、なぜ化学肥料や農薬を使わなくとも作物は育つのか? なぜ耕さなくてもよいのか? なぜ多様な植物が必要なのか?――有機農業や自然農法にかかわる“そもそも”の問いに、最先端の科学的知見と篤農家の叡智から縦横に語る。
「危機の本質は、タネを介してつながっている動植物と微生物と土との関係性が断ち切られたことにある」と著者は言う。食と農、そして環境に関心のあるすべての人に一読をすすめたい。

シン・オーガニック|田舎の本屋さん - 農業・食文化・教育・生活の書籍専門店
有機農業・自然農法が可能な理由〈わけ〉を科学の知見と篤農家の叡智から縦横に語る。
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