【受賞】第15回辻󠄀静雄食文化賞『風景をつくるごはん』(真田純子著)

 真田 純子著『風景をつくるごはん―都市と農村の真に幸せな関係とは』(農文協、2023年)が第15回辻静雄食文化賞を受賞しました。

 辻静雄食文化賞とは、公益財団法人辻静雄食文化財団が主催するもので、2010 年に創設されました。同賞は、食分野の教育と研究に生涯を捧げた辻静雄の功績を称え、日本の食文化の発展を目指して目覚しい活躍をした人々に対して贈られます。

第15回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定|プレスリリース|ニュースリリース|辻調グループ 総合情報サイト
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受賞理由
 植物や昆虫の美しさに認められるような自然環境に適応して生きる合理性と、最大多数の人間が生きていくための産業構造の合理性は、どうしても抵触する。
 つまり、自然に根ざしたかつてのような農村風景と、近代的な都市の論理、合理性は衝突せざるを得ない。そのふたつをいかに折り合わせるかと考える時、自然的なものに比重を置いた上で多数の人間が生きていくことを目指す、ヨーロッパ的な観点の導入がありうることを、著者は提案している。
 食文化と農村風景を結びつけるという新しい視点から、そこに関わる私たちに、環境の保全を追求した風景と食の美しさの可能性を示唆したことは評価に値する。

風景をつくるごはん―都市と農村の真に幸せな関係とは


真田純子 著

地方創生やB級グルメなど地方を盛り上げようとする取り組みが盛んだ。だがなぜ地方の人たち、とりわけ中山間地の人たちばかりがんばらなくてはならないのか? 都市と農村の関係から、農業生産のあり方や流通、食べ方の変化に目を向けたとき、そこには都市を優先し合理性を重視する社会のシステムがあることが見えてくる。農村風景の変容も、このシステムとふかく結び付いている。農村風景を入り口に、食と農業のあり方から、都市と農村の幸せな関係を構想する。

本書についてのくわしい解説は下記ページをご覧下さい。

風景をつくるごはん | 編集室からとれたて便
良い風景を、社会・経済・環境の〈幸せな統合〉ととらえ、都市と農村の良好な関係を考える『風景をつくるごはん』についての情報ページ

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