【受賞】王勇先生 2015年度国際交流基金賞受賞!

当会から

(以下 国際交流基金・HPより引用)

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王 勇(浙江工商大学東亜研究院院長/教授) [中国]

授賞理由

王 勇(浙江工商大学東亜研究院院長/教授)の写真

王勇氏は、1980年国際交流基金が中国における日本語教師養成のために設置した「大平学校」(「北京日本学研究センター」の前身)の第4期生である。王勇氏はそこで日本と日本語と出会ったことを出発点に、中国の日本研究と日中間の文化交流の発展に半生を捧げてきた。

王勇氏はこれまで、中国内外で44冊の著書・編著や多くの学術論文を発表し、中国日本史学会副会長や中華日本学会副会長をはじめとする要職を歴任した。中国における日中文化交流史研究を代表する泰斗であり、代表的著作のいくつかは日本語でも出版され、好評を博している。

王勇氏の研究の視点はユニークである。現在、中国では「一帯一路」構想のもとで陸と海のシルクロードを提唱しているが、王勇氏はこうした構想の提起 よりかなり以前から日中文化交流史をシルクロードの中に位置付けている。古代から続く日本と中国の交流の歴史を、中国から日本への一方通行的なものではな く、絹が日本から中国に輸出されていたことなど、日中間の双方向の交流としてとらえているところに斬新さがある。

王勇氏は、日中間の文化交流はシルクよりも書物を通じた知的交流が特徴的であったことから、これを「シルクロード」になぞらえて「ブックロード」と 名付けている。「ブックロード」は奈良・平安期に遣唐使などを通じて開花し、その後江戸期にいたるまで、中国で逸失した本が日本から再輸入されるなど双方 向の交流として続いていたという。ユニークという点では、聖徳太子の虚像と実像を、当時の東アジア世界の中でより大きなスケールで描き出した聖徳太子論も 注目に値する。

今日では王勇氏の学術活動は世界に広がっているが、日中間の知られざる文化・学術交流史に光をあて、国際相互理解の増進に果たした役割は特筆すべき である。今回の王勇氏の受賞を契機に、中国の日本研究と日中間の文化交流が今後益々盛んになることを期待し、国際交流基金賞を授与する。

今回は同時に 作曲家の冨田勲氏、シビウ国際演劇祭(ルーマニア) も受賞されています。

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■今回の受賞を記念して、講演会が開かれます。

浙江工商大学東亜研究院院長/教授 王勇氏 講演会
「此の時、声無きは声有るに勝る―東洋的文化交流のスタイル―」
日時:     10月22日(木曜日) 18時30分〜21時(開場18時)
会場:    国際交流基金 JFICホール[さくら]
言語:     日本語

お申込みなど、詳しくは こちらから

■国際交流基金について

国際交流基金賞は国際交流基金設立の翌年である1973(昭和48)年に始まり、今年で43回目を迎えます。
本賞では、学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に長年にわたり特に顕著な貢献があり、引き続き活動が期待される 個人又は団体を顕彰しています。

国際交流基金賞

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